Home
›
俳人別俳句一覧
中村汀女の俳句
広告
中村汀女の俳句の中から個人的に選出した俳句です。
春の俳句
外にも出よ 触るるばかりに 春の月
ぼうぼうと 燃ゆる目刺を 消しとめし
夏の俳句
単衣着て 風よろこべば 風まとふ
時ふれば 手桶水澄み 濁り鮒
瓜もみの 加減も馴れて 大暑かな
しんしんと 月の夜空へ 柿若葉
茨咲く 水の迅さよ 旅をゆく
秋の俳句
秋入日 しばらく染めし 寺座敷
稲妻の ゆたかなる夜も 寝べきころ
鳥立ちし あとも鳴子の 鳴りやまず
とどまれば あたりにふゆる 蜻蛉かな
坂かけて 夕日美し 竹の春
冬の俳句
抱く珠の 貝のあはれを 聞く冬夜
ながれゆく 水草もあり 冬日暮る
部屋割も 旅二日目の 酢牡蠣から
たらちねの もとの冬木の かく太り
水仙や 束ねし花の そむきあひ
白菜の 山に身を入れ 目で数ふ
新年の俳句
謡ひ過ぐ 人好もしや 若菜摘む
( Written by buzz )
amazon frame