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季語「無月(むげつ)」の解説と季語を使った俳句の例
秋の季節の季語の一つである「無月(むげつ)」です。
無月
「無月」は、本来なら月が見えるはずの夜に、曇りや雨で月が見えない状態を指す言葉です。特に中秋の名月や、十六夜など、月が期待される夜に見えない月を指して用いられます。俳句において「無月」は、見えない月に対する寂しさや、その不在がもたらす物悲しさを感じさせ、曇り空や雨音が秋の情緒を深める表現として使われます。
季語「無月(むげつ)」を使った俳句の例です。
雨の音 無月の空に 悲しきに
解説:無月の夜に降る雨の音が、どこか悲しげに響いている情景を詠んでいます。月が見えない暗い空の下、雨がしとしとと降り続く音が、秋の寂しさや物悲しさを一層引き立てています。月が見えない夜の静けさと、雨音が醸し出す物寂しさが表現されています。
無月夜に 灯りともして 窓の中
解説:無月の夜に星が一層輝きを増している様子を描いています。月が見えないことで星の光が引き立ち、秋の夜の深さと静けさが感じられる句です。月のない夜だからこそ星が際立つ情景を表現しています。
無月夜の 雲の隙間に 光もれ
解説:無月夜に雲が厚く立ち込める中、わずかな隙間から光が漏れ出している情景を詠んでいます。月が隠れた夜に、雲の合間から見えるかすかな光が、秋の夜の静けさと神秘的な美しさを感じさせます。無月夜に、ほんの少しの光が見えることで、自然の奥ゆかしさや微かな希望が表現されています。
著者 / Tommy Ikura
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