季語「燈籠(とうろう)」の解説と季語を使った俳句の例

秋の季節の季語の一つである「燈籠(とうろう)」です。

燈籠

季語の解説:

「燈籠」は、お盆や送り盆、秋祭りなどで灯される灯火で、祖先や霊への供養や祈りの象徴です。灯籠流しや盆踊りなどに使われ、暗闇に浮かぶ淡い光が、秋の夜に独特の情緒を与えます。燈籠の柔らかな灯りには、夏の名残や秋の静けさが表れ、夜の静寂や祈りが込められた雰囲気を作り出します。俳句では、灯籠の光を通じて、秋の夜の静かな情景や季節の移ろい、霊への想いを表現します。

俳句の例:

季語「燈籠(とうろう)」を使った俳句の例です。

燈籠や 風に揺れつつ 夜へ溶け

解説:燈籠が風に揺れながら、夜の闇の中に溶け込んでいく様子を描いています。燈籠のかすかな灯りが風に揺れて、静かで幻想的な秋の夜の情景が浮かび上がります。夜に灯りが溶け込むことで、秋の深まりや幽玄さが感じられます。

燈籠や 川面に浮かぶ 月の影

解説:燈籠が川面に浮かび、灯籠の明かりと共に月の影も映る様子を描いています。夜の静寂に包まれた光景が、祖先や過去への想いと共に秋の穏やかな夜を感じさせます。

秋の夜 燈籠に託す 祈りかな

解説:秋の夜、燈籠の灯りに祈りの気持ちを込める様子を詠んでいます。燈籠を通して先祖や故人への思いが込められており、秋の静かな夜に深い祈りの気持ちが表現されています。燈籠の光に託された祈りが、夜の静寂の中で厳かに感じられます。

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著者 / Tommy Ikura

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