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季語「不知火(しらぬい)」の解説と季語を使った俳句の例
秋の季節の季語の一つである「不知火(しらぬい)」です。
不知火
「不知火」は、主に8月下旬から9月にかけて九州地方の海で見られる怪火現象です。漁火や自然の現象が重なって現れるもので、夜間に沖に浮かぶ無数の光が、幻想的で神秘的な雰囲気を醸し出します。不知火は、見えないものや知ることのできないものを象徴することもあり、俳句では、夜の神秘や秋の静けさを表現する際に使われます。海や夜、秋の闇と共に、人の未知への畏怖や神秘感を詠むことが多いです。
季語「不知火(しらぬい)」を使った俳句の例です。
不知火に 水面ゆらめく 秋の浜
解説:不知火の光が水面に反射し、秋の浜辺がゆらめく様子を描いています。不知火の神秘的な光が水面に揺らぎ、静かな秋の夜に幻想的な情景が広がっています。秋の夜の静寂さと、光が揺れる神秘的な雰囲気が感じられます。
秋の夜 不知火揺れて 消えかかる
解説:秋の夜に不知火の光が揺れ、消えかかっている様子を詠んでいます。不知火のはかなく揺らぐ光が、秋の夜の静寂と神秘的な情景を強調しています。不知火が持つ一瞬の儚さが、秋の夜の情緒とともに表現されています。
闇深し 不知火ひとつ 遠く浮き
解説:深い闇の中に、不知火の光がひとつだけ遠くに浮かんでいる様子を詠んでいます。夜の闇の静寂さと、不知火の幽玄な光が際立ち、神秘的な秋の夜が描かれています。孤独に浮かぶ光に、不知火の幻想的なイメージが伝わってきます。
著者 / Tommy Ikura
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