季語「梨（なし）」の解説と季語を使った俳句の例

秋の季節の季語の一つである「梨（なし）」です。

梨

「梨」は、秋に実る果実で、その甘みやみずみずしさから、秋の味覚として広く愛されています。梨の果実はさっぱりした甘さとさわやかな香りが特徴で、秋の実りの代表的な果物のひとつです。俳句では「梨」を通して秋の収穫の喜びや、実りの季節の豊かさを表現することが多いです。また、瑞々しい果実の新鮮さが、秋のひんやりとした空気感とも調和して詠まれます。

季語「梨（なし）」を使った俳句の例です。

梨の白 切り分けながら 秋の昼

解説：梨の白い果肉を切り分けながら、静かな秋の昼を過ごしている様子を詠んでいます。梨の瑞々しい白さと、穏やかな秋の昼の風景が伝わってきます。梨の新鮮さと秋の午後のひとときを感じさせる句です。

梨ひとつ 冷やして待つや 秋の客

解説：秋の客人を待ちながら、ひとつ冷やした梨を用意している情景が描かれています。来客への心遣いと、梨のひんやりとした瑞々しさが伝わり、秋の気配と共に和やかな場面が表現されています。

ひと口の 梨に広がる 甘みかな

解説：ひと口食べた梨の甘みが口いっぱいに広がる様子を詠んでいます。秋の梨の美味しさと、収穫の喜びが簡潔に表現されており、秋の味覚への愛着が伝わります。