季語「初東風(はつごち)」の解説と季語を使った俳句の例

新年の季節の季語の一つである「初東風(はつごち)」です。

初東風

季語の解説:

「初東風」は、新年最初に吹く東風を指し、新しい年の訪れとともに春の兆しを運んでくる自然現象を象徴する新年の季語です。「東風」は、暖かさを伴う春の風のことを指し、特に「初東風」は新年の希望や変化、未来への明るい展望を感じさせます。この季語を使った俳句では、新年特有の清々しさや自然の穏やかさが詠まれ、新しい一年への期待や心の動きが情景として描かれることが多いです。「初東風」は、風そのものの動きや音、触感を詠むだけでなく、風がもたらす季節の移ろいを表現する際にも用いられます。

季語を使った自作の俳句:

季語「初東風(はつごち)」を使った俳句の例です。[1]

初東風が そっと触れたる 二寧坂

解説:新年の柔らかな「初東風」が二寧坂の静寂な情景にそっと触れる様子を美しく描いています。「そっと触れたる」という表現が、初東風の繊細な動きを感じさせ、風が吹くことで生じる穏やかな時間の流れを伝えています。また、「二寧坂」という具体的な場所の名前が、歴史や情緒を感じさせる舞台を作り出し、句全体に深みを与えています。この句は、新年の清々しさと静けさ、そして伝統的な日本の街並みへの愛着が融合した作品で、読む人に心地よい余韻を残す一句です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「初東風(はつごち)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

初東風に 豊川詣で かくは果たす

作者:中村汀女

初東風を うしろにうけて凧

作者:正岡子規

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著者 / Tommy Ikura

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