季語「夕立（ゆうだち）」の解説と季語を使った俳句の例

夏の季節の季語の一つである「夕立（ゆうだち）」です。

夕立

「夕立」は夏の夕方に突然降り出し、短時間で止む激しい雨を指します。昼間の暑さが和らぎ、気温が少し下がることから、夕立は夏の風物詩として人々に清涼感をもたらします。雷と共に降ることも多く、その一時の激しい雨の音や、雨後のさっぱりとした空気が詩的に感じられます。夕立が去った後の涼しさや、水たまりに映る青空など、俳句では短くも印象的な夏のひとときが表現されます。

季語「夕立（ゆうだち）」を使った俳句の例です。

夕立や 濡れたる街に 涼戻る

解説：夕立が降り、濡れた街に涼しさが戻ってきた様子を詠んでいます。日中の暑さが夕立によって和らぎ、街全体が清涼感に包まれる情景が伝わってきます。

空映す 夕立のあとの 水たまり

解説：夕立が過ぎ去った後の水たまりに空が映っている様子を詠んでいます。雨後の空気の清涼感とともに、水たまりに映る空が自然の美しさを引き立てています。夕立後の穏やかで透明感のある風景が感じられます。

夕立に 並んで過ごす 軒の下

解説：夕立を避けるために軒下で並んで過ごす様子が詠まれています。軒下に並ぶ人々が、雨をしのぎながら静かに時を過ごしている情景が感じられます。夕立の一瞬の出来事が人々を近づけ、夏ならではの和やかさを伝えています。