季語「兎(うさぎ)」の解説と季語を使った俳句の例

冬の季節の季語の一つである「兎(うさぎ)」です。

季語の解説:

「兎(うさぎ)」は、冬の雪景色の中で見かけられることが多く、その白く小さな姿が冬の自然と調和します。雪原を跳ねる兎の足跡や、冷たい風の中で佇む姿は、冬の静寂と純白の景色を引き立てます。古くから兎は月や収穫と関連があり、神秘的で優雅な印象も持たれています。冬の俳句では、「兎」を通じて、厳しい冬の寒さや、静けさの中にある生き物の温もりを表現します。

俳句の例:

季語「兎(うさぎ)」を使った俳句の例です。[2]

冬の日に 兎の足跡 野に続く

解説:冬の野原に兎の足跡が続く情景を詠んでいます。「冬の日に」という静けさを含んだ導入が、穏やかで冷えた空気感を醸し出します。その中で、「兎の足跡」が野へと続いていく様子が、自然の中での小さな生命の営みを象徴しています。足跡の行方を追う視点が読者の想像を広げ、自然の中で感じる静寂と生命の存在感を巧みに描いた一句です。

雪野原 兎の白に かくれんぼ

解説:真っ白な雪野原で、兎がその白さに溶け込み見えなくなる様子を詠んでいます。「かくれんぼ」という表現が、兎の行動をユーモラスかつ親しみやすく描いており、厳しい冬の情景に温かみを添えています。雪と兎が一体化する様子が、自然の美しさと不思議さを感じさせます。また、見つけられないもどかしさと同時に、自然と遊ぶような喜びも伝わる一句です。

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著者 / Tommy Ikura

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