季語「睦月（むつき）」の解説と季語を使った俳句の例

新年の季節の季語の一つである「睦月（むつき）」です。

睦月

「睦月」は、旧暦で一年の始まりを意味する一月の別称で、新年の季語です。睦月という名は「睦び月（むつびづき）」が由来とされ、家族や親戚が集まり、親しく語り合う月という意味を持ちます。この季語は、新しい年の始まりを祝う気持ちや、家族の団欒、穏やかな時間を象徴します。俳句では、睦月の風景や行事を描写したり、新年の希望や喜び、またその中にある静かな情感を表現する際に用いられます。この季語を使うことで、年の初めの瑞々しい情景とともに、家族や友人との絆を感じさせる俳句が詠まれることが多いです。

季語「睦月（むつき）」を使った俳句の例です。[1]

餅食いて また餅食いて 睦月かな

解説：新年の風物詩である餅を食べる情景を、親しみやすいリズムと繰り返しによって軽快に描いています。「餅食いて また餅食いて」という表現が、餅を食べる楽しさや止められない美味しさをユーモラスに伝えています。そして最後の「睦月かな」によって、新年特有の温かな家庭や団欒の雰囲気が感じられます。句全体として、睦月の和やかさと、餅を食べる日本の伝統的な風習を明るく表現しており、読者に微笑ましい気持ちを抱かせる一句です。

季語「睦月（むつき）」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

筑紫野は はこべ花咲く 睦月かな

作者：杉田久女

琴鼓 ならべかけたる 睦月哉

作者：正岡子規