杉田久女の俳句
杉田久女(すぎた ひさじょ)が作者の俳句の中で、このサイトの季語の解説ページでご紹介している俳句の一覧を表示しています。
春の夜の まどゐの中に ゐて寂し
ゆく春や とげ柔らかに 薊の座
季語:行く春(ゆくはる)
東風吹くや 耳あらはるる うなゐ髪
季語:東風(こち)
春潮に 流るる藻あり 矢の如く
季語:春潮(しゅんちょう)
入学児に 鼻紙折りて 持たせけり
季語:入学(にゅうがく)
田楽に 夕餉すませば 寝るばかり
季語:田楽(でんがく)
指輪ぬいて 蜂の毒吸ふ 朱唇かな
季語:蜂(はち)
雨晴れて 忘れな草に 仲直り
季語:勿忘草(わすれなぐさ)
厳寒や 夜の間に萎えし 草の花
季語:冬の朝(ふゆのあさ)
冬の朝 道々こぼす 手桶の水
季語:厳寒(げんかん)
節分の 宵の小門を くぐりけり
季語:節分(せつぶん)
東風吹くや 耳あらはるる うなゐ髪
季語:北風(きたかぜ)
冬晴の 雲井はるかに 田鶴まへり
季語:冬晴(ふゆばれ)
炭つぐや 髷の粉雪を 撫でふいて
季語:粉雪(こなゆき)
ほのゆるる 閨のとばりは 隙間風
季語:隙間風(すきまかぜ)
冬凪げる 瀬戸の比売宮 ふしをがみ
季語:冬凪(ふゆなぎ)
狐火や 風雨の芒 はしりゐる
季語:狐火(きつねび)
煖房に 汗ばむ夜汽車 神詣
季語:暖房(だんぼう)
アイロンを あてゝ着なせり 古コート
季語:コート
笑み解けて 寒紅つきし 前歯かな
季語:寒紅(かんべに)
冬服や 辞令を祀る 良教師
季語:冬服(ふゆふく)
空似とは 知れどなつかし 頭巾人
季語:頭巾(ずきん)
身にまとふ 黒きショールも 古りにけり
季語:ショール
足袋つぐや ノラともならず 教師妻
季語:足袋(たび)
寄鍋や たそがれ頃の 雪もよひ
季語:寄鍋(よせなべ)
松の内 社前に統べし 舳かな
季語:松の内(まつのうち)
筑紫野は はこべ花咲く 睦月かな
季語:睦月(むつき)
初凪げる 和布刈の磴に 下りたてり
季語:初凪(はつなぎ)
仰ぎ見る 大〆飾 出雲さび
季語:注連飾(しめかざり)
胼の手も 交りて歌留多 賑はへり
季語:歌留多(かるた)
子ら残し 来て日暮れたる 年賀かな
季語:年賀(ねんが)
松とれし 町の雨来て 初句会
季語:初句会(はつくかい)
眉引を 四十路となりし 初鏡
季語:初鏡(はつかがみ)
あだ守る 筑紫の破魔矢 うけに来し
季語:破魔矢(はまや)
草の戸に すむうれしさよ わかなつみ
季語:若菜(わかな)

著者 / Tommy Ikura
毎日の暮らしの中で役立つ情報や、趣味に関するコンテンツを分かりやすく解説するサイトを製作しています。