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季語「冬の靄(ふゆのもや)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「冬の靄(ふゆのもや)」です。
冬の靄
「冬の靄」は、冬の寒い朝や夕方に大気中の水蒸気が冷えて発生する薄い霞や霧のことを指します。春の霞とは異なり、冬の靄は冷たく静かな雰囲気を持ち、景色をぼんやりと覆い隠すことで、静寂さや神秘的な雰囲気を生み出します。山間や田園風景、川辺などで見られることが多く、その透明感や静けさを背景に、冬の厳しさや自然の深遠さを表現する俳句で使われます。また、靄の中にぼんやりと浮かび上がる風景や人々の姿を描くことで、詩的な情感を引き出すこともできます。
季語「冬の靄(ふゆのもや)」を使った俳句の例です。
冬の靄 人影まばら 渡月橋
解説:渡月橋という具体的な場所を舞台に、冬の冷たさと物寂しさを描き出しています。「冬の靄」が橋全体を包み込み、視界を曖昧にしている情景が浮かび、「人影まばら」という表現で、冬特有の静寂さや閑散とした雰囲気が際立ちます。渡月橋という名所をあえて寂しい風景として描くことで、普段の賑わいとの対比を暗示しているようにも感じられます。句全体として、冬の冷たさとともに、靄がもたらす幻想的な雰囲気を感じさせ、自然と人間の営みが織りなす静かなひとときを巧みに表現しています。
季語「冬の靄(ふゆのもや)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
冬の靄 クレーンの鉤の 巨大のみ
作者:山口青邨
著者 / Tommy Ikura
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