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季語「マスク」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「マスク」です。
マスク
「マスク」は、冬場に風邪やインフルエンザの予防、防寒対策としてよく使われる生活アイテムで、近年では感染症対策としても一般的に使用されています。特に冬は、寒さや乾燥からの保護として活躍するため、俳句においては季節感を象徴するアイテムとして用いられます。マスクを着ける動作や、その存在感を通じて、冬の静けさや人々の営み、時には孤独感や温もりを表現することができます。
季語「マスク」を使った俳句の例です。
マスク越し 心配げなる 友の顔
解説:冬の季節感とともに、マスクを通じた人間関係の情景を描いています。「マスク越し」という言葉が、マスクが日常生活に溶け込んでいる現代の風景を表し、その中で「心配げなる友の顔」に、人の温かさや思いやりが込められています。マスクが物理的な壁となる中でも伝わる感情が繊細に表現されており、冬の寒さと人間同士のつながりを対比的に感じさせる一作です。
マスク付け くぐもる声に 笑みこぼし
解説:冬の寒さや感染予防の背景の中で、マスクをした状態での会話の温かさを描いています。「くぐもる声」という表現が、マスク越しの音の変化や制限を表しつつも、それに対して「笑みこぼし」とする結びが、会話の温もりや心の通じ合いを感じさせます。マスクを通した日常の小さな温かさを表現しており、冬の現代的な風景に親しみを感じる俳句です。
熱引きて マスク外せば 息軽し
解説:風邪を引いた後の快復の瞬間を描いた作品です。「熱引きて」という冒頭が、病から回復する安堵感を示し、「マスク外せば」という行動描写が、それまでの不快感や束縛から解放される様子を伝えています。「息軽し」という結びには、身体的な楽さと心の爽快感が感じられ、冬の寒さの中でも健康のありがたさをしみじみと感じる一作です。
季語「マスク」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
マスクかけ 仄かに彼の 眉目かな
作者:高浜虚子
マスクせる 兵の感涙 きらびやか
作者:飯田蛇笏
著者 / Tommy Ikura
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