飯田蛇笏の俳句

飯田蛇笏(いいだ だこつ)が作者の俳句の中で、このサイトの季語の解説ページでご紹介している俳句の一覧を表示しています。

春の俳句:

春分を 迎ふ花園の 終夜燈

季語:行く春(ゆくはる)

街路樹に 旧正月の 鸚鵡籠

季語:旧正月(きゅうしょうがつ)

もろともに うれひに酌むや 花ぐもり

季語:花曇(はなぐもり)

古めきて 月ひかりいづ 焼野かな

季語:焼野(やけの)

老鶴の 天を忘れて 水温む

季語:水温む(みずぬるむ)

遠足児 よどむに乳牛 尾をふりて

季語:遠足(えんそく)

山鴉 遠くこたへて 百千鳥

季語:百千鳥(ももちどり)

夏の俳句:

駒鳥笛に なごりの月を 雲の端

季語:駒鳥(こまどり)

秋の俳句:
冬の俳句:

ふるさとの 闇こそしづめ 大晦日

季語:大晦日(おおみそか)

小雪や 古り枝垂れたる 糸桜

季語:小雪(しょうせつ)

しら雲に 鷹まふ嶽の 年惜しむ

季語:年惜しむ(としおしむ)

ひたひたと 寒九の水や 廚甕

季語:寒(かん)

風冴えて 高嶺紺青 雪のこる

季語:冴ゆ(さゆ)

寒波来ぬ 信濃へつづく 山河澄み

季語:寒波(かんぱ)

春近し 廻国どもが 下駄の泥

季語:春近し(はるちかし)

北辺の 聖夜にあへる 樹氷かな

季語:樹氷(じゅひょう)

山神楽 冬霞みして きこえけり

季語:冬霞(ふゆがすみ)

神は地上におはし給はず冬の虹

季語:冬の虹(ふゆのにじ)

月光の しみる家郷の 冬の霧

季語:冬の霧(ふゆのきり)

金輪際 牛の笑わぬ 冬日かな

季語:冬の日(ふゆのひ)

冬凪ぎに まゐる一人や 山神社

季語:冬凪(ふゆなぎ)

冬山に 枯木を折りて 音を聞く

季語:冬の山(ふゆのやま)

マスクせる 兵の感涙 きらびやか

季語:マスク

みぞるるや 雑炊に身は あたたまる

季語:雑炊(ぞうすい)

昨今の 心のなごむ 褞袍かな

季語:褞袍(どてら)

雪晴れて わが冬帽の 蒼さかな

季語:冬帽子(ふゆぼうし)

眼をほそめ 頸をすくめて ショールきる

季語:ショール

大つぶの 寒卵おく 襤褸の上

季語:寒卵(かんたまご)

新年の俳句:

冴ゆる灯に 新年夜情 雪のこゑ

季語:新年(しんねん)

山川を ながるる鴛鴦に 松すぎぬ

季語:松過ぎ(まつすぎ)

人よむに 如かず正月 諷詠詩

季語:正月(しょうがつ)

去年今年 闇にかなづる 深山川

季語:去年今年(こぞことし)

こころよき 炭火のさまや 三ヶ日

季語:三が日(さんがにち)

炉がたりも 気のおとろふる 三日かな

季語:三日(みっか)

小正月 寂然として 目をつむる

季語:小正月(こしょうがつ)

園の端の 木立おもてや 初がすみ

季語:初霞(はつがすみ)

いんぎんに ことづてたのむ 淑気かな

季語:淑気(しゅくき)

年寄りて たのしみ顔や 絵双六

季語:双六(すごろく)

一管の 笛にもむすぶ 飾りかな

季語:飾(かざり)

雲ふかく 蓬莱かざる 山廬かな

季語:蓬莱(ほうらい)

人の着て 魂なごみたる 春着かな

季語:春着(はるぎ)

太箸や いただいておく 静心

季語:太箸(ふとばし)

谷雲に それてながるる 破魔矢かな

季語:破魔矢(はまや)

やまびとや 採りもつ歯朶も 一とたばね

季語:歯朶(しだ)

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著者 / Tommy Ikura

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