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季語「冬凪(ふゆなぎ)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「冬凪(ふゆなぎ)」です。
冬凪
「冬凪」は、冬の季節に訪れる風が止んで静寂な状態を指す季語です。冬特有の冷たく澄んだ空気の中で、海や湖面が風もなく穏やかに凪いでいる様子を描写します。この静けさは、一見平穏でありながらも、冬の厳しさや自然の厳粛な力を感じさせるものでもあります。俳句では、冬凪を通じて自然の静けさや、そこに広がる景色の透明感、またはその中に潜む儚さや寂しさを詠むことが多いです。この季語を使うことで、冬ならではの静寂の美しさや時間の止まったような一瞬の情景を描き出します。
季語「冬凪(ふゆなぎ)」を使った俳句の例です。[1]
冬凪の 湖面広がる 波紋かな
解説:「冬凪」という静寂な情景を背景に、湖面に生じた波紋が広がる瞬間を描いています。「湖面広がる」という表現が、静けさの中で起こる微細な変化を鮮やかに伝え、「波紋かな」でその一瞬の美しさに感嘆する様子が感じられます。冬凪の静けさが強調される中で、波紋という動きが自然の持つ儚い力を表現しており、視覚的にも詩的にもバランスが取れた句です。湖面の穏やかな広がりと、そこに漂う冬の冷たさや静寂が調和した、美しい情景が心に浮かぶ一句です。
季語「冬凪(ふゆなぎ)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
冬凪げる 瀬戸の比売宮 ふしをがみ
作者:杉田久女
冬凪ぎに まゐる一人や 山神社
作者:飯田蛇笏
冬凪の 檸檬色づく ほのかなり
作者:水原秋桜子
著者 / Tommy Ikura
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