季語「外套(がいとう)」の解説と季語を使った俳句の例

冬の季節の季語の一つである「外套(がいとう)」です。

外套

「外套」には「コート」などの子季語があります。

季語の解説:

「外套」とは、冬の寒さを防ぐために着る厚手の上着、コートを指します。冬の街中や寒風の中を歩く人々を描く際に使われ、外套の存在が冬の厳しさとその中での防寒対策を象徴します。この季語は、冬の寒さに対する人々の行動や生活の一端を具体的に描写しつつ、衣服の質感や動きなども感じさせることができる表現です。俳句では、外套を着込む動作やその存在感を通じて、冬の季節感や人々の心情を表現するのに用いられます。

季語を使った自作の俳句:

季語「外套(がいとう)」を使った俳句の例です。[2]

外套の 襟寄せる手に 凍る風

解説:冬の寒さが人々の行動に影響を与える瞬間を描いています。「外套の襟寄せる手」という描写から、冷たい風が襟元から入り込むのを防ぐために手で襟を引き寄せる動作が生々しく感じられます。「凍る風」という表現は、冬の冷たさを具体的に伝えるとともに、風が肌に触れた瞬間の鋭い冷たさを強調しています。全体として、寒風に立ち向かう人間の小さな仕草を通して、冬の厳しさとそこに宿る人間らしさがしみじみと感じられる俳句です。

京の町 冬の外套 似合いけり

解説:京都の風情と冬の装いが調和している情景を表現しています。「京の町」という言葉には、歴史や文化が感じられ、その独特の情緒が背景として広がります。「冬の外套」は寒い季節の装いであり、その姿が「似合いけり」と結ばれることで、京都という場所と外套を身にまとった人々との調和が際立ちます。特に「似合いけり」という結語が、俳句全体に静かな感嘆のニュアンスを加え、読者に京都の美しさや趣きを感じさせる一作です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「外套(がいとう)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

あおぞらに 外套つるし 古着市

作者:阿波野青畝

外套の 裏は緋なりき 明治の雪

作者:山口青邨

プロフィール画像

著者 / Tommy Ikura

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