石田波郷の俳句
石田波郷(いしだ はきょう)が作者の俳句の中で、このサイトの季語の解説ページでご紹介している俳句の一覧を表示しています。
立春の 米こぼれをり 葛西橋
季語:立春(りっしゅん)
きらきらと 八十八夜の 雨墓に
桜餅 闇のかなたの 河明り
季語:桜餅(さくらもち)
田楽に 舌焼く宵の シュトラウス
季語:田楽(でんがく)
胸に享く 復活祭の 染卵
季語:復活祭(ふっかつさい)
梅の香や 吸う前に息は 深く吐け
季語:梅(うめ)
夜桜や うらわかき月 本郷に
季語:夜桜(よざくら)
勿忘草 若者の墓標 ばかりなり
季語:勿忘草(わすれなぐさ)
雷の下 キヤベツ抱きて 走り出す
季語:雷(かみなり)
泉への 道後れゆく 安けさよ
季語:泉(いずみ)
冷奴 隣に灯 先んじて
季語:冷奴(ひややっこ)
手花火を 命継ぐ如 燃やすなり
季語:手花火(てはなび)
清瀬にも 茜富士あり 十二月
季語:十二月(じゅうにがつ)
妻よ我が 短日の頬 燃ゆるかな
季語:短日(たんじつ)
細雪 妻に言葉を 待たれをり
季語:細雪(ささめゆき)
冬霧の はれゆく墓の 減りもせず
季語:冬の霧(ふゆのきり)
隙間風 兄弟に母の 文異ふ
季語:隙間風(すきまかぜ)
唇舐めて 英霊に礼す 冬旱
季語:冬旱(ふゆひでり)
風花や 胸にはとはの 摩擦音
季語:風花(かぜはな)
焼跡に 透きとほりけり 寒の水
季語:寒の水(かんのみず)
牛鍋や 妻子の後の われ独り
季語:牛鍋(ぎゅうなべ)
人待つごと 人厭ふごと 着膨れぬ
季語:着ぶくれ(きぶくれ)
離れて遠き 吾子の形に 毛糸編む
季語:毛糸編む(けいとあむ)
寒卵 薔薇色させる 朝ありぬ
季語:寒卵(かんたまご)
女患らの 夜泣うどんに さざめくも
季語:夜鷹蕎麦(よたかそば)
元日の 日があたりをり 土不踏
季語:元日(がんじつ)
命継ぐ 深息しては 去年今年
季語:去年今年(こぞことし)
息白く 七日の家長 家を出づ
季語:七日(なぬか)
御降りの 松青うして あがりけり
季語:御降り(おさがり)
初富士へ 荒濤船を 押しあぐる
季語:初富士(はつふじ)
若菜野や 八ツ谷原の 長命寺
季語:若菜野(わかなの)
うらわかき 膝しづまれり 初茶の湯
季語:初茶湯(はつちゃのゆ)
書初の 墨病室を かをらしむ
季語:書初(かきぞめ)
一門の 女礼者や 屋にあふれ
季語:礼者(れいじゃ)
いつまでも 老いぬあはれや 切山椒
季語:切山椒(きりざんしょう)
平凡に 五十頭上の 初雀
季語:初雀(はつすずめ)
楪や 厭ふべきものは ひた厭へ
季語:楪(ゆずりは)

著者 / Tommy Ikura
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