松尾芭蕉の俳句
松尾芭蕉(まつお ばしょう)が作者の俳句の中で、このサイトの季語の解説ページでご紹介している俳句の一覧を表示しています。
松尾芭蕉(まつお ばしょう)は、寛永21年(1644年)に伊賀国(三重県伊賀市)で生まれ、元禄7年(1694年)旧暦10月12日に亡くなりました。俳諧師として活躍し、「蕉風」と呼ばれる新しい俳風を確立しました。代表作である紀行文「おくのほそ道」は、旅を通して詠んだ俳句と随筆が融合した独特の文学形式で、多くの名句を残すとともに日本文学史に大きな足跡を残しています。
春の夜は 桜に明けて しまひけり
行く春や 鳥啼き 魚の目は涙
季語:行く春(ゆくはる)
裸には まだ衣更着の 嵐哉
季語:如月(きさらぎ)
花の顔に 晴れうてしてや 朧月
季語:朧月(おぼろづき)
辛崎の 松は花より 朧にて
季語:朧(おぼろ)
丈六に かげろふ高し 石の上
季語:陽炎(かげろう)
ひやひやと 壁をふまえて 昼寝哉
季語:昼寝(ひるね)
両の手に 桃と桜や 草の餅
季語:草餅(くさもち)
君や蝶 我や荘子が 夢心
季語:蝶(ちょう)
古池や 蛙飛込む 水のおと
季語:蛙(かわず、かえる)
藻にすだく 白魚や取らば 消えぬべき
季語:白魚(しらうお)
梅若菜 丸子の宿の とろろ汁
季語:梅(うめ)
夏草や 兵共が ゆめの跡
季語:夏草(なつくさ)
旅寝よし 宿は師走の 夕月夜
季語:師走(しわす)
石枯れて 水しぼめるや 冬もなし
季語:冬(ふゆ)
年暮れぬ 笠きて草履 はきながら
季語:年の暮(としのくれ)
月花の 愚に針立てん 寒の入り
季語:寒の入(かんのいり)
から鮭も 空也の痩も 寒の内
季語:寒の内(かんのうち)
ごを焼て 手拭あぶる 寒さ哉
季語:寒し(さむし)
油凍り ともし火細き 寝覚めかな
季語:凍る(こおる)
初雪や かけかかりたる 橋の上
季語:初雪(はつゆき)
笠もなき われを時雨るるか こは何と
季語:時雨るる(しぐるる)
葛の葉の 面見せけり 今朝の霜
季語:霜(しも)
初霜や 菊冷え初むる 腰の綿
季語:初霜(はつしも)
木枯しや 竹に隠れて しづまりぬ
季語:凩(こがらし)
冬の日や 馬上に氷る 影法師
季語:冬の日(ふゆのひ)
石山の 石にたばしる あられ哉
季語:霰(あられ)
旅人と 我名よばれん 初しぐれ
季語:初時雨(はつしぐれ)
面白し 雪にやならん 冬の雨
季語:冬の雨(ふゆのあめ)
旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る
季語:枯野(かれの)
一露も こぼさぬ菊の 氷かな
季語:氷(こおり)
被き伏す 蒲団や寒き 夜やすごき
季語:蒲団(ふとん)
年の市 線香買ひに 出でばやな
季語:年の市(としのいち)
旅寝して みしやうき世の 煤はらひ
季語:煤払(すすはらい)
魚鳥の 心は知らず 年忘れ
季語:年忘(としわすれ)
夜着ひとつ 祈り出だして 旅寝かな
季語:夜着(よぎ)
をさな名や 知らぬ翁の 丸頭巾
季語:頭巾(ずきん)
くれくれて 餅を木魂の わびね哉
季語:餅(もち)
あら何ともなや 昨日は過ぎて 河豚汁
季語:河豚汁(ふぐじる)
ともかくも ならでや雪の 枯尾花
季語:枯尾花(かれおばな)
元日や 思えばさびし 秋の暮
季語:元日(がんじつ)
庭訓の往来 誰が文庫より 今朝の春
季語:今朝の春(けさのはる)
二日にも ぬかりはせじな 花の春
季語:二日(ふつか)
門松や おもへば一夜 三十年
季語:門松(かどまつ)
幾霜に 心ばせをの 松飾り
季語:松飾(まつかざり)
蓬莱に 聞かばや伊勢の 初便
季語:蓬莱(ほうらい)
餅花や かざしにさせる 嫁が君
季語:嫁が君(よめがきみ)
一とせに 一度摘まるる 薺かな
季語:薺(なづな)

著者 / Tommy Ikura
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