与謝蕪村の俳句
与謝蕪村(よさ ぶそん)が作者の俳句の中で、このサイトの季語の解説ページでご紹介している俳句の一覧を表示しています。
与謝蕪村(よさ ぶそん)は、享保元年(1716年)に摂津国東成郡毛馬村(現在の大阪市北区毛馬町付近)で生まれ、天明3年(1784年)1月17日(旧暦12月25日)に亡くなりました。俳人、画家として活躍しました。江戸俳諧の巨匠の一人であり、松尾芭蕉の俳風を再評価しつつ、絵画的で叙情的な俳句を確立しました。また、俳句と絵を融合させた「俳画」という独自の美学を追求し、その後の俳諧や美術に大きな影響を与えました。
行く春や 重たき琵琶の 抱き心
季語:行く春(ゆくはる)
遅き日の つもりて遠き 昔かな
季語:遅日(ちじつ)
公達に 狐化けたり 宵の春
季語:春の宵(はるのよい)
山寺や 撞そこなひの 鐘霞む
季語:霞(かすみ)
さしぬきを 足でぬぐ夜や 朧月
季語:朧月(おぼろづき)
春月や 印金堂の 木の間より
季語:春月(しゅんげつ)
雪解や 妹が炬燵に 足袋かたし
季語:雪解(ゆきどけ)
春の海 ひねもすのたり のたりかな
※ 春の海 終日のたり のたりかな
季語:春の海(はるのうみ)
水ぬるむ 頃や女の わたし守
季語:水温む(みずぬるむ)
雛祭る 都はづれや 桃の月
季語:雛祭(ひなまつり)
初午や 物種うりに 日のあたる
季語:初午(はつうま)
月に聞て 蛙ながむる 田面かな
季語:蛙(かわず、かえる)
夏河を 越すうれしさよ 手に草履
季語:夏の川(なつのかわ)
もの焚て 花火に遠き かゝり舟
季語:花火(はなび)
祇園会や 真葛が原の 風かほる
季語:祇園会(ぎおんえ)
貧乏な 儒者訪ひ来る 冬至かな
季語:冬至(とうじ)
行年や 芥流る々 さくら川
季語:行く年(ゆくとし)
冬ざれや 北の家陰の 韮を刈る
季語:冬ざれ(ふゆざれ)
化けさうな 傘をかす寺の 時雨かな
季語:時雨(しぐれ)
野の馬の 韮をはみ折る 霜の朝
季語:霜(しも)
木枯や 鐘に小石を 吹きあてる
季語:凩(こがらし)
静かなる かしの木はらや 冬の月
季語:冬の月(ふゆのつき)
初しぐれ 眉に烏帽子の 雫かな
季語:初時雨(はつしぐれ)
冬の雨 柚の木の刺の 雫かな
季語:冬の雨(ふゆのあめ)
狐火や 髑髏に雨の たまる夜に
季語:狐火(きつねび)
腰ぬけの 妻うつくしき 炬燵かな
季語:炬燵(こたつ)
寒声や 古うた諷ふ 誰が子ぞ
季語:寒声(かんごえ)
かしらへや かけん裾へや 古衾
季語:衾(ふすま)
ささめごと 頭巾にかづく 羽折かな
季語:頭巾(ずきん)
足袋はいて 寝る夜ものうき 夢見かな
季語:足袋(たび)
いざ一杯 まだきににゆる 玉子酒
季語:玉子酒(たまござけ)
逢はぬ恋 思ひ切る夜や 河豚汁
季語:河豚汁(ふぐじる)
ことさらに 唐人屋敷 初霞
季語:初霞(はつがすみ)
手ごたへの 雲に花あり 弓はじめ
季語:弓始(ゆみはじめ)
ほうらいの 山まつりせむ 老の春
季語:蓬莱(ほうらい)
万歳の 踏みかためてや 京の土
季語:万歳(まんざい)
三椀の 雑煮かゆるや 長者ぶり
季語:雑煮(ぞうに)
朝日さす 弓師が見せや 福寿草
季語:福寿草(ふくじゅそう)

著者 / Tommy Ikura
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